こんにちは。としきです。
この悩みにお答えします。
今回はHSP気質を持ちながら、グランドスタッフとして働かれた経験があるもか さんにお話を伺います!
もかさんプロフィール
- 新卒で日系航空会社の国際線グランドスタッフとして勤務
- 結婚を機に退職、現在は在宅で一般事務とWebライターで活動
- 自分がHSPだと気づいたのは1年ほど前、昔から人の感情や言葉に敏感
グランドスタッフはHSPに向いている職業
私は実際にグランドスタッフとして働いていた時、HSPであるという自覚がないまま働いていました。
そのため、時にはツライ経験もしてきましたが…。
今回はそんな私だからこそお伝えできる、リアルなグランドスタッフの内情をお話します!
HSPにグランドスタッフが向いている理由
- 正確性を求められるから
- 敏感で物事を深く考えられるから
- 共感力が高いから
1つずつ紹介していきます。
1.正確性を求められるから
グランドスタッフはサービス業として取り上げられることが多いですが、何より大事なのはお客様、そして飛行機の安全を守ること。
搭乗手続きの間には本人確認や入国書類、危険物の有無など非常に多くの確認を行います。
責任重大な業務内容にプレッシャーを感じてしまうかもしれませんが、HSPは日頃からミスや忘れ物などに気をつける習慣があるため、正確性を求められる業務においても着実に仕事をこなすことができます。
私も心配性な性格が活きてか、働いていた期間に大きなミスをしたことはありませんでした。
2.敏感で物事を深く考えられるから
HSPの特徴として「周囲の状況の変化に敏感」という特性が挙げられますが、これはグランドスタッフとして働く上で非常に重宝される部分です。
いつもとは違う状況にいち早く気づき改善策を考えることができるため、先回りした行動でお客様や一緒に働くスタッフのフォローをすることができます。
実際に働いていたときには、先輩方や同期、後輩から
など嬉しい言葉をたくさんかけてもらっていました。
業務を円滑に行うだけでなく、職場の仲間との信頼関係を築く上でも周囲の状況をすぐに把握できる能力はとても役に立ちます。
3.共感力が高いから
グランドスタッフには相手の立場に立って想像することが必ずと言っていいほど求められるため、HSPの共感力の高さと感受性豊かな特性を活かすことができます。
これは働いてみて初めて知ったことですが、飛行機を利用されるお客様の中にはあまりご要望を口にしない方が意外にも多くいらっしゃいます。
ところが心の境界線が薄いHSPはお客様のお考えやご要望を汲み取ることが自然にできてしまうため、ご提案したことでお客様に喜んでいただけることが多いのです。
実際に以下のような対応で感謝のお言葉をいただいた経験があります。
- 赤ちゃん連れのお客様に空港内でご利用いただけるベビーカーの貸出をご提案した。
- 高齢のお客様に対して座席をお手洗いの近くに変更できる旨をお伝えした。
おもてなしの心を発揮することでやりがいを感じるのはもちろん、会社の顔としてイメージアップに貢献することができる。
まさに一石二鳥ですね!
HSPがグランドスタッフに向いていない点
- 緊張感のある現場であるところ
- 心を休める時間がないところ
- 人間関係が難しいから
こちらの3点です。
1. 緊張感のある現場であるところ
先程ご紹介した通りグランドスタッフは安全に対する大きな責任を背負っていますが、それと同時に定時運航を目指すためタイムプレッシャーを感じる場面も多くあります。
一緒に働くスタッフやお待ちになっているお客様はピリピリしていることも多く、他人の空気を感じ取ってしまうHSPは気疲れすることが多いかもしれません。
2.心を休める時間がないところ
グランドスタッフが働く空港には多くのお客様がいらっしゃいます。
一日を通して多くの人と接する機会がある一方で、組織が大きく社員の人数も多いため休憩室にも常に周りに人がいるということがよくあります。
人に囲まれている状態でなかなか心を休められないHSPにとっては大変な点です。
3. 人間関係が難しいから
グランドスタッフが勤めるハンドリング会社※は社員のほとんどが女性です。
私が以前働いていた会社では、男女の比率は1:9と言えるほど女性の多い職場でした。
一概には言えませんが、女性の多い職場は噂話が多かったり怖い先輩が高確率でいるなど、トラブルが多いというのも特徴だと思います。
またグランドスタッフはグループごとのシフト制のため、苦手な人とも毎日顔を合わせ一緒に働くことになりますし、業務もチームプレイのため人間関係が上手くいかないと仕事がしづらいというのも大変な点ですね。
※ハンドリング会社とは
- 各空港の地上業務や旅客の対応をする会社
- グランドスタッフは航空会社ではなく、ハンドリング会社に所属
- 株式会社JALスカイ、ANAエアポートサービス株式会社等
向いてない点の対処法
1.HSPだからこそできる!相手の感情を考えた行動を
まずはHSPの得意な相手の立場に立って考えるということを最大限活かす方法です。
相手のしてほしいことを見極めて接する。
たったこれだけのことを実践するだけでマイナスな気持ちになる機会は自然と減ります。
例えば
お待ちいただいたお客様をお出迎えする際はお詫びと感謝のお言葉をお伝えするよう心がける。
→良い第一印象を与え、お客様のお気持ちを和らげることができる。
お客様一人ひとりのご様子をよく見て柔軟な対応を行う。
→丁寧さやスピードなど、何を求めてられているお客様なのかを見極めると気持ちの良い対応をすることができる。
スタッフ同士の報告や相談は相手に余裕があるタイミングでするよう心がける。
→急ぎでないことは落ち着いてから伝えるとお互いに嫌な思いをすることを避けられる。
HSPの得意分野を活かして不穏な空気を感じる総数を減らしていきましょう!
2.オンとオフの切り替えを意識的に
グランドスタッフの職場である空港はもちろん、通勤の際の電車や自宅の近くにも空港関係者が多いというのも特徴です。
そのため意識的に仕事とプライベートを切り離し、休息時間をしっかりと確保することが大切です。
職場の人との仕事終わりの食事や休日の遊びなどに必要以上に時間を割くことはせず、プライベートの時間を大切にすることで結果的に仕事を長く続けていくことができるのではないでしょうか。
3.相手が仕事においてどのような人なのかを判断する
大前提として苦手な先輩でも仕事の報告連絡相談はしっかりすることを心がけましょう。
どうしても怖い、苦手だなと思う人がいるときは相手が以下のどちらなのか見極めてみることをオススメします。
- 厳しいけど正しいことを言っている
- 理不尽に怒っている
ミスに対して厳しく、正しいことを教えてくれる人は仕事熱心でもある証拠。
注意された際は落ち込むのもほどほどに、アドバイスをよく聞くようにしましょう。
成長した時一番喜んでくれたのは厳しい先輩だった!なんてこともよくあります。
そして、相手が理不尽に怒る人の場合はスルースキルを身につけることが一番手っ取り早い対処法です。
心の健康を守るために、時には意識的に気にしないようにすることも大切ですよ。
グランドスタッフの年収は?
グランドスタッフの平均年収はだいたい320万円ほどです。
職業情報サイト「キャリアガーデン」でも、だいたい260万〜420万円と紹介されています。
中でもやはり大手航空会社や都市部の空港で勤務しているほど年収は高い傾向にあり、正社員と契約社員でも年収に差があります。
年収アップするには管理職になるのが最も期待できる手段です。
グランドスタッフになる方法
まず、グランドスタッフになりたい方は航空会社の本社ではなくハンドリング会社への就職を目指しましょう。
主なパターンは以下の2通りです。
- 4年制大学・短期大学もしくはエアライン系の専門学校を卒業し、新卒として入社する
※高卒でも入社可能な会社もありますが、就職できる会社の幅を広げるためいずれかの学校を卒業しておくことがオススメです。
- 転職で既卒として入社する
どちらもハンドリング会社のHPから募集要項を見て、応募することが多いです。
専門学校の例
- 日本外国語専門学校
- 神田外語学院(東京)
- ECC国際外語専門学校(大阪)
専門学校がおすすめなのはこういった理由からです。
- 航空会社への就職を目指している学生が大半のためモチベーションの高い友人ができる
- エアラインに特化した授業内容で入社前から航空業界に詳しくなれる
(授業例)英語や中国語などの語学・ヘアメイク・マナー・予約システムの使い方 など - 空港実習に行き、実際の業務を体験することができる
- 卒業前の早期入社があり、大学生より早く働き始めることができる。
資格がないと絶対に受からないというわけではありません。
実際に私の周りに資格無しで大手航空会社の内定をもらえた人もいます。
しかし多国籍のお客様と接するグランドスタッフにとって語学力は高いほど評価されるのも事実です。
中には書類選考の通過基準にしている会社もあるため、語学の勉強には力を入れることをオススメします。
まとめ
グランドスタッフは人との関わりが多くHSPにとって大変な部分もあるものの、繊細な性格だからこそできるおもてなしでお客様に喜んでいただける場面が多々あります。
いかに仕事中に気持ちを切り替え、他人の言動に気持ちを左右されないよう工夫するかがカギですね。
HSPの方でも、グランドスタッフに興味のある方は是非就職を検討してみてください。