こんにちは。としきです。
この悩みにお答えします。
今回はHSP気質を持ちながら、ファミレスのホールスタッフとして4年間働いたごぅさんにお話を伺います!
ごぅさんプロフィール
- 小学生2人の子を育てる30代の主婦
- 現在はフリーのWebライター
- 昔から些細なことに深く傷つくなどHSPの特性を持つ
- 大学時代、4年間ファミレスでホールスタッフのアルバイトを経験
HSPの人はホールスタッフに向いていない
感覚が敏感なHSPの人にとって、たくさんの人がガヤガヤと集まるお店はストレスを感じやすい場所だからです。
HSPにファミレスのホールスタッフが向いていない点
- 疲れやすい体質なので、混雑している日はぐったりする
- 気を遣いすぎてサービスに時間がかかりすぎることもある
- 苦手な人と同じシフトの日はひどく憂うつになる
こちらの3点です。
1つずつ紹介していきます。
1.疲れやすい体質なので、混雑している日はぐったりする
ファミレスは、土日や祝日、またお盆などの長期休みには、とてもたくさんのお客さまが訪れます。
お店の方針から、学生は基本的に土日祝や長期休みはシフトを入れるように言われていたので、私もそうしていました。
土日になるとお店はいつも満席になって大忙し。
立ち止まる間もなく動きまわっていました。
また、私の働いていたファミレスは、禁煙席より喫煙席のほうが広いという特徴がありました。
広い喫煙席のエリアでは、いつもタバコの煙がもくもくと立ち込めていたのですが、嗅覚が敏感な私はタバコの臭いが大の苦手です。
そのため、混雑した日はお料理とタバコの臭いがたくさん混ざり合って、気持ちが悪くなる日が多かったのを覚えています。
ただでさえ、多くのビールジョッキを運んだり、何度も往復したりと疲れる業務なのに、きつい臭いがプラスされて大きなストレスを感じていました。
2.気を遣いすぎてサービスに時間がかかりすぎることもある
ホールスタッフは、出来上がったお料理を一人前ずつお盆に載せて運びます。
たとえばとんかつ定食なら、ごはん、お味噌汁、とんかつ、小鉢のおかず、お漬物をひとつのお盆に載せるんですね。
私の働いていたファミレスでは、お料理を載せるお皿が日によって違うことがありました。
そのため、お料理をお盆にうまく載せるためには、日によって小鉢やお漬物を置く位置を調整する必要があったのです。
他のスタッフは、小鉢やお漬物をどこに載せても気にしないというスタンスでしたが、私は
お料理の載せ方ひとつでもお客さまの気分に影響する
と考えていたので、自分の中でベストな載せ方ができるまで調整する癖がありました。
その結果、他のスタッフが2往復する間に私は1往復しかできないという、明らかなスピードの差が出てしまったのです。
他のスタッフから直接「遅い」と言われたわけではありませんが、私の作業スピードへの不満が表情に出ていたので心苦しかったのを覚えています。
3.苦手な人と同じシフトの日はひどく憂うつになる
私は大きな声で怒鳴る人や、不機嫌な態度を表に出す人が苦手です。
相手の表情を敏感に感じ取ってしまい、必要以上に気にしてしまうので、上記の様なスタッフと働くのはとても苦痛でした。
特に、厨房スタッフの年配の男性がとても威圧的な人だったので、その男性スタッフが一緒の勤務の日は常にビクビクしていました。
メニューによっては、お客さまから
などと頼まれることもあり、そうした要望を受けたときは厨房スタッフに口頭で伝えなければいけません。
私がお客さまの要望を伝えると、その男性スタッフは
と荒い口調で言い返してくることもしばしば。
その度に嫌な気持ちになってしまい、勤務が終わるまでずっとモヤモヤした感情を引きずってしまうのです。
そうなると、次に伝達しなきゃいけない事項が出てきたときになかなか言い出せず、結局ギリギリに伝えてまた怒鳴られるという悪循環に陥ることも。
そんな経験から、一緒に働く人がどんな人たちなのか、HSPに与える影響はとても大きいと感じました。
対処法
- 一日おきにシフトを入れる
- 70〜80%の完成度を意識する
- 苦手な人の勤務日を記録し、被らないようにシフトを組む
以下に詳しく説明しますね。
1. 一日おきにシフトを入れる
疲れやすい体質のHSPは、とにかく無理をせずに働けるペースでシフトを入れることが大事です。
そのため、あまり連勤にならないように一日置きにシフトを入れるなどして、長時間の勤務は避けるようにしていました。
「このくらいなら頑張れるかな?」と自分で思うより、ちょっと少なめにシフトを組むように心掛けていました。
ついつい頑張りすぎてしまう自分の性質を理解して、先手を打っておくイメージですね。
また、タバコの臭いへの対策は、積極的に禁煙エリアで作業するようにしていました。
喫煙エリアから呼び出しのベルが鳴ったときは、基本的に喫煙エリアの近くにいるスタッフがお客さまのもとへ向かうことになります。
このことから、できるかぎりタバコの煙が充満した喫煙エリアには行かなくていいように、禁煙エリアで作業することを意識していたのです。
もし、私のように臭いに敏感な人は、はじめから禁煙席しかないお店で働くのが一番かなと思います。
2. 70〜80%の完成度を意識する
特に混雑時などに心掛けるようにしていたのは、完璧じゃなくてもいいんだということです。
私以外のスタッフは、かなり気楽にやっている人たちばかりでした。
あまりいい考えではないかもしれませんが、「この人たちと同じくらいでいいんだ」と自分に言い聞かせることもありました。
また、下げた食器を運んでいる最中にお客さまから声をかけられたときにも、「手の空いてる人に頼んでもいいんだ」と自分に言い聞かせて、他のスタッフへお願いすることも意識していました。
お客さまに声をかけられたのは自分だから他のスタッフには頼みにくい
そんな思いがどこかにありましたが、すべてを自分でやる必要はないんだと意識するようにしたんですね。
3. 苦手な人の勤務日を記録し、被らないようにシフトを組む
威圧的なスタッフと一緒の勤務の日は、勤務中どころか職場に行く前から憂うつな気分になってしまいます。
ひどいときは腹痛や頭痛など、体調にも影響してしまいました。
そのため、苦手なスタッフが何曜日の何時にいるのか、できるだけ情報を集めてからシフトの希望を出すようにしていたのです。
シフトの提出は、指定の用紙に希望シフトを記入して、事務所の決められた引き出しに入れるという方法でした。
締切日まで全スタッフのシフトが引き出しに入れっぱなしになるので、誰でも他のスタッフの希望シフトを見ることができる環境だったんですね。
その環境をありがたく利用して、苦手なスタッフのシフト希望表を確認してから、勤務日が重ならないようにシフトを組むことがよくありました。
他の人の希望シフトを見ることができない環境の場合でも、苦手な人が普段何曜日の何時頃に勤務しているか記録しておくことでうまく避けられると思います。
HSPにファミレスのホールスタッフが向いている点
- 細かいところに気がつくのでお客さまから感謝される
- 相手に不快な思いをさせないような振る舞いができる
私がHSPの人はホールスタッフに向いていると感じたところを2点ご紹介します。
1. 細かいところに気がつくのでお客さまから感謝される
HSPの特徴は、人が気づかないような小さなことに気がつくところです。
私の働いていたお食事処では、お冷はセルフサービスになっていました。
お冷用のグラスを補充するとき、私にはちょっとしたこだわりがあったのです。
他のスタッフは棚の空いたところにどんどんグラスを置いていましたが、私はいつも棚の奥に残っていたグラスを手前に移動させ、補充するグラスを奥へ置いていました。
これは、食洗機から出したばかりのグラスは少し熱いので、粗熱が取れるまで時間を置いておいたほうがいいな、と自分で判断してやっていたことです。
とても些細なことなのですが、一度、私のグラスの置き方に気づいたお客さまが気遣いに対して褒めてくださったことがあります。
また、お客さまは手前のグラスから取っていかれるので、奥のグラスは少し届きにくくなります。
そのため、少しでも取りやすいように、気づいたときには奥のグラスを手前に持ってくるようにしていました。
こうした細かい気配りはHSPの特性が活かせるポイントだと思います。
2. 相手に不快な思いをさせないような振る舞いができる
HSPは相手の気持ちに敏感な特性があるので、お客さまや一緒に働くスタッフがどんな気持ちなのかすぐに感じとることができます。
- この人は今、このことに腹を立てているな
- このお客さまはこれを求めているんだな
といったことが表情からすぐにわかるんですね。
たとえば、他のスタッフが料理をテーブルに置いた際、お客さまの表情が一瞬だけ曇るのを感じ取ったりしていました。
と察知したら、すぐにそのお客さまへ謝罪に行ったりしていました。
そうしてフォローすることで、お客さまの感じた不快感も少しは和らいでいただけたので、お店の大きなマイナスイメージにはつながらずに済んだと思います。
ファミレス ホールスタッフの給料・年収
ホールスタッフのアルバイトの場合は、現在の平均時給が990円。
一日5時間勤務で週4日働いた場合、1ヶ月あたり79,200円のお給料がもらえます。
年収で換算すると950,400円という計算になりますね。
ちなみに、正社員でホールスタッフになった場合、平均年収は368万円です。
私が大学時代に働いていた時の時給は860円だったので、今のほうが時給が高いのかもしれません。
ホールスタッフで働く方法
ホールスタッフは、格式の高いお店でなければ特に経歴などは必要ありません。
一般的な条件としては、高校生以上、もしくは18歳以上といった年齢制限くらいです。
ホールスタッフとして働くためには大きく分けて2つの方法があります。
- 求人サイトから探して応募する
- 店舗の貼り紙などを見て直接面接を申し込む
求人サイトは条件などを細かく設定してお店を探すことができます。
譲れない条件などを入れて、自分の働きやすい職場が探せます。
店舗の貼り紙を見て直接面接をお願いする場合は、お店の雰囲気や働く人の様子をみることができます。
HSPにとって職場の雰囲気はとても重要なポイントなので、働きたいお店を一度訪れてみるといいですね。
まとめ
今日の内容を簡単にまとめます。
向いていない点
- 混雑した店内は疲れやすい
- 気を遣いすぎる
- 苦手な人の影響を受けすぎる
対処法
- 一日おきにシフトを入れる
- 70〜80%の完成度を意識する
- 苦手な人の勤務日を記録し、被らないようにシフトを組む
向いている点
- 細かい気遣いができる
- 相手に不快な思いをさせないように振る舞える
HSPの人にホールスタッフは向いていないというお話しをさせていただきました。
ですが、気遣いや気配りが上手なHSPにとって、お客さまから喜ばれることが多いのも事実です。
あまりスピードを求められないような、ゆったりとした空間が売りの飲食店なら、HSPの特性が発揮できるかもしれませんね。