こんにちは。としきです。
この悩みにお答えします。
今回はHSP気質を持ちながら、実際にコールセンターで8年働かれているくりこさんにお話を伺います!
くりこ
- 40代、女性。
- 男の子3人を育て、手を離れた現在は請負派遣で通信系コールセンターに就業中
- 事業者及び顧客の受電、架電の一通りを受け持ち、今年8年目になる。
意外とコールセンターの仕事はHSPに向いている
HSPにコールセンター業務が向いている点
- 相手への気配りが必要
- 少しずつステップアップしている手ごたえを感じる
- 自己有用感を感じる
1つずつ紹介しますね。
1.相手への気配りが必要
コールセンターは、電話でお客様と対話をする仕事です。
表情が見えないため、声や雰囲気で温度感を計りながら、間違いのない案内をする必要があります。
そのため「空気が読めないタイプ」には向いていないですが、感度の良いHSPには向いていると言えるでしょう。
少しずつステップアップしている手ごたえを感じる
電話を取るごとに自分の成長を確認できるのも良いところです。
電話の向こうの相手は、自分の知りたいことをこの電話ですべて解消しようとしています。
しかし知識のないことを尋ねられるとアタフタしますし、何とか答えてあげたいと思ってしまうものです。
話中は時間をかけて調べることも難しいため、あらかじめ十分に知識を蓄えておくことが、案内する上の安心感と余裕にもつながります。
以前は一人で応対できなかったことも、次に同じことを尋ねられた時には自信を持って答えることができます。
「この前はここまでしか案内できなかったけれど、今回はもっと深い案内ができた」という達成感は、次の受電に向けて自信をつけられます。
自己有用感を感じる
電話をかけてきた人の対応は、基本的には受電した自分が行うことになります。
自分の案内が相手にとっては全てとなるため、「自分がちゃんと案内しなきゃ!」という責任感が生まれるのです。
大勢の中の一人として仕事をするよりも、「自分が全て」という責任感や自己有用感を味わえるので、やりがいのある仕事として向き合うことができます。
HSPにコールセンター業務が向いていない点
クレームで疲弊してしまう
コールセンターはクレームの入電がつきものです。
温度感が上がりきっているお客様との対話にはコツがいるため、感情を受け取る感覚が鋭いとひどく疲弊します。
ですが、手に負えないと感じたときには上席に対応を代わってもらえることがほとんどです。
チームで解決できる仕事なので、ストレスをためず共有し、やりがいを保ちながら続けられます。
なお、クレーム専門の部署などに入らなければ、続けてクレーム対応することはありませんので過度な心配は必要ありません。
言った言わないの話になりやすい
書面やデータに残らない電話対応の仕事は、後になってから「言った」「言わない」のトラブルになりやすいのが難点です。
お客様自身も自分の不利になることは避けたいですし、本当に勘違いをしている場合や、オペレーターに責任を押し付けてくる場合もあります。
自分がいかに誠実な対応をしていたとしても、相手のごり押しで謝らなければならない場合も出てきます。
そういったトラブルを経験すると、電話対応に対してやる気がなくなってしまいます。
「仕事」と割り切れればよいのですが、HSPはどうしても他人のせいにできず、自分で責任を抱えがちなので、心理的にも負担の大きい仕事となってしまいます。
自分の案内に自信が持てないと、ひきずってしまう
相手が尋ねていること、求めていることに対して、まっすぐに答えを返せているかというのは、コールセンターでは最も重要な点です。
ですが、言葉の齟齬などでうまく案内できないことはよくあります。
「相手が聞いていたのはそうではなかった」など、一対一での対応の中で起こした誤案内は、HSPのオペレーターに大きなダメージを与えます。
案内に自信がない時や、クレームに発展しそうな雰囲気を感じたときは、電話を保留にしSV(スーパーバイザー)やLD(リーダー)にエスカレーション(判断を仰ぐこと)できます。
SVとは「スーパーバイザー」と言い、その職場を管理している責任者です。
仕事全体の管理や従業員の管理をし、業務知識も非常に深く、一番頼りにされています。
また、SVに聞かなくてもLD(リーダー)で判断できる業務も多いため、オペレーターは最初にLDに聞くことが一般的となっています。
いずれの上席も、業務知識の豊富さはもちろんのこと、親切で面倒見の良い人がほとんどです。
対処法
- 豊富な業務知識を身につける
- 通話の録音を活用する
- 上司に相談する
私はこの対策をすることで先ほど紹介した向いていない点をクリアできて楽になりました。
豊富な業務知識を身につける
案内する商品やサービスについて豊富な知識を持っていることは重要です。
相手の知識が深くない場合、自分が業務を幅広く把握し、「~ということをお尋ねですか?」と逆に尋ねることができれば、ぶれずに案内ができます。
結局、自分がどんなに汲み取ろうとしたところで、相手が本心で何を考えているかなんて、全てはわかりません。
相手の本心をいくら考えても適切な案内はできませんが、豊富な業務知識を持っていれば、相手が聞きたいことを推測することはできます。
本心の読み合いよりも確実な案内をするために、幅広い知識をつけておくことが重要ですね。
通話の録音を活用する
電話上の「言った」「言わない」は、通話の録音で解決することがあります。
コールセンターによっては通話の録音記録を一定期間保存している職場があるんです。
もちろん、自分の案内も録音されているため、ミスや案内漏れを指摘される場合もありますが、通話の録音はクレーム発生時の大きな切り札としてオペレーターを守ってくれます。
これからコールセンターに勤務することを検討している場合は、職場見学などの際に、通話録音を保存しているかを確認すると安心につながるでしょう。
上司に相談する
最後は上司に相談することです。
実際に私も、落ち込まないための対処については上席に相談しました。
たいてい「気にしすぎだよー!」と言われるのですが、上司には
と提案してもらいました。
「不安な時は何でも聞いてね」と言ってもらっているのでそれを励みに頑張っています
コールセンターの仕事はチーム全体で頑張るものなので、とても達成感があります
コールセンターの年収イメージ
インバウンド(受電)
- カスタマーサポートやテレフォンオペレーターなど
- 商品やサービスの問い合わせや、注文電話を受ける仕事
- かかってくるまでの待機時間はあるが、絶え間なく電話が鳴る職場もある
アウトバウンド(架電)
- 自分からお客様に電話をかけて、販売やアンケートなどを行う
- 自分のペースで電話をかけられる
- 一般的にインバウンドよりもアウトバウンドの方が収入は高め
- 営業成績によってインセンティブが付く会社も
私は通信事業者のコールセンターに勤めていますが、受電も架電もする部署なので一通りこなしています」
インバウンドとアウトバウンドの違いだけでなく、役職がついたり経験年数が長くなったりすることで収入も高額になっていきます。
コールセンターで働く方法
コールセンターの仕事は、求人サイトでいつでもたくさん募集しており、資格も不要なので最初の仕事としてもチャレンジしやすい仕事です。
正社員ならリクナビNEXTやdoda、派遣社員ならリクナビ派遣あたりなどです。
シフトの融通が利きやすいので、学校や家事・育児などの折り合いをつけやすいところも人気となっています。
話をしていると時間が過ぎるのもとても早いので、あっという間に退勤時間になるのもよいところです。
まとめ
お客様と電話を通して応対するコールセンターの仕事は、一対一の仕事ではあるものの、困ったときには上席に確認しやすい良い環境が確保されていることがほとんどです。
誰にとってもクレーム処理は大変ですので、エスカレして上席に指示を受けながら対応すれば、ひとりぼっちで傷つくこともありません。
コールセンターの仕事でも、インバウンドは比較的クレームが少ないことが多いです。
逆にアウトバウンドは、自分が名乗っている途中で切られることもあるので、慣れないうちは避けるのが良いでしょう。
今回のお仕事経験 提供者
くりこさん
- 40代、女性。
- 男の子3人を育て、手を離れた現在は請負派遣で通信系コールセンターに就業中
- 事業者及び顧客の受電、架電の一通りを受け持ち、今年8年目になる。