こんにちは。としきです。
この悩みにお答えします。
今回はHSP気質を持ちながら、実際に看護師として3年働かれたJUNさんにお話を伺います!
睡眠障害で体調を崩し3年で看護師をやめることに
現在35歳の女性で、今は一般の仕事についています。
看護師になると決めたのは高校2年生の時でした。
安定的な給料と、ドラマで見るような患者さんとの温かなやり取りをしたかったのが理由です。
高校を卒業後、看護学校に入学、国家試験に合格して総合病院に入社しました。
2年間は総合病院で勤務し、その後1年クリニックに勤めました。
しかし元々HSP気質がかなり強めだったせいか、環境にも人にもなかなか慣れず大変な思い出しかありません。
太陽の光や人混み、音、相手のふとした感情、食事の繊細な味わいなどさまざまな感覚を刺激として受け取ってしまいます。
この状態は物心ついた時からそうでした。
しかしこの原因が何かわからず、個性が強いだけと周囲の人から言われモヤモヤ葛藤を抱えつつ看護師になりました。
そして睡眠障害が出て体調を崩し、3年で看護師をやめることになったのです。
何も対策しなければ、看護師はHSPには向かない
HSPは普通に生活していても五感が敏感なので、思っている以上に疲れます。
看護師の仕事を行うと、以下と常に向き合わなければなりません。
- 失敗が許されないプレッシャー
- 人を救わなければならない責任感
- 忙しさや優先順位の調整
- 休日返上の勉強
- 夜勤による睡眠障害や気分の落ち込み
- 患者さんの死
- 同僚看護師のイライラ(にもかかわらず相談や報告、仕事のお願いは必須)
HSPでなくても大変な環境ですが、これらの刺激をより強く受け取ってしまうHSPには大変です。
しかしこれらと上手に折り合いをつけることができれば、HSPの良さが引き立つ職業でもあります。
HSPに看護師が向いている点
- 共感能力が高い点
- 1つずつ行えばミスが少ない点
- 業務改善が得意な点
大変な仕事のイメージのある看護師ですが、私の体験をもとにこれらを説明します。
共感能力が高い点
看護師が話を聞くのは、
- 家で面倒を見てくれる人がいるのか
- 病院に通える距離に住んでいるのか
など患者さんの情報を把握するためでもあります。
しかしそれ以上に、病気やけがによる苦痛やストレスを心配していることがほとんどです。
私が看護師をしていた時、医者に褒められたことがあります。
看護記録に患者さんとの会話も記載していたためです。
医者から精神状態がわかりやすくて助かると言われました。
今振り返ると、患者さんが私にしか言わなかったこともたくさんありました。
辛い時に共感し寄り添える部分は、HSPの能力そのものです。
1つずつ行えばミスが少ない点
HSPには、マルチタスクは苦手ですが1つのことをじっくりと取り組めばミスが少ないという特徴があります。
考え込みやすいともいえますが、よく考えるからこそトラブルを事前に察知してミスを少なくすることができるんです。
薬や検査の時間の他にも入浴介助や足浴など日常生活のケアも、その時間中は他のことができません。
その仕事に集中できるので、ミスなく仕事の質を高めることができます。
一対一のコミュニケーションの時間にもなるので、HSPに向いている瞬間ですね。
業務改善が得意な点
HSPは細かい部分を想定しながら分析できるので、マニュアルの穴に気付く人も多いです。
「もっとこうすればいいのに」という思いを抱えながら仕事をしている人もいます。
それが周囲の人に気づかれない上に、話してもわかってもらえないから普段は静かにしている場合が多いです。
私の場合はトラブルになる可能性を事前に周囲に伝えていてもその時は取り合ってもらえず、実際トラブルが起きた後に「なんでわかったの?」と不思議そうな顔をされることが多かったです。
このように業務改善を提案する場所があると役立てます。
HSPに看護師が向いていない点
- 人間関係が難しい点
- 大量の仕事を素早く行うことを求められる点
- ゆっくり休むことが難しい点
1つずつ詳しく説明するので、チェックしてみてください。
人間関係が難しい点
病院には以下のようなイライラの原因があります。
- 看護記録などの事務作業や患者さんの急変で残業が頻発
- 急変が多発する急性期病棟は常に死と隣り合わせ
- 自分が仕事ができないと同僚の仕事を増やすことになる
- そもそも全員睡眠不足で感情が不安定
- 委員会活動や勉強会などで休日を返上
- お金は貯まるが、遊ぶ暇がない
しかもこの勉強会などは強制だったりします。
これほどプライベートに仕事が入り込んできたらイライラするのも仕方がないですが、HSPにとってはつらい環境と言えます。
大量の仕事を素早く行うことを求められるから
仕事が大量なだけでも、HSPはどれからやったらいいのかパニックになる場合が多いです。
冷静に優先順位を立てた上で、素早くこなす技術力が求められます。
何事も素早くこなす技術が最も形になるのが患者さんの容体が急変した時です。
点滴の注射に10分もかかってしまっては、患者さんの命は助かりません。
しかし日ごろから素早く対応する技術力を磨いていれば、急変時も焦る必要はなく冷静に対処できます。
このプレッシャーの積み重ねがHSPにとってはなおさら辛く、限界が来る人が多いです。
ゆっくり休むことが難しいから
私が働いていたのは三交代制だったので、ほぼ休めませんでした。
ただし2交代制の場合は12時間働いて12時間休むというリズムになるので、3交代制ほど休めないわけではないです。
また日勤のみの場合なら、もっと休めます。
しかし今まで説明してきたように、委員会活動や勉強会などを考えると結局は休める時間をなんとか捻出して休むという形をとりがちです。
睡眠時間を優先すれば、遊ぶ時間が無くなります。
それが続くと休んでいるようで休めていないような感覚になってくるので、心身ともに悪影響が出てきます。
敏感なHSPには向かない環境と言えます。
HSPが看護師を続けるための対処法
私が実際にやっていた方法がいくつかあります。
- タイマーを持ち歩いて1つの処置時間を把握する
- シフト前に1日の行動計画を立てる
- 人間関係のイライラは仕事ができるようになると改善するものが多いので、仕事を早く覚える
- それでも改善しない人間関係はそもそも性格が合わないので、無理に合わせようとしない
- 休日の予定を月初めに入れて「その日は予定があるので…」と言える状況にする
- それでも休日働かなければいけない場合は、1日何時間まで働くのか決める
- 体調が限界を迎える前に早めに師長に相談し、薬が必要な場合は対処する
我慢でどうにかなる業界ではないからこそ、なるべく自分が我慢しない方向性で頑張った方が長続きします。
またスタッフ同士のコミュニケーションにもなるので、勇気を出して話す努力はした方が良いです。
さらに慌てないためにも1つの処置に何分かかるのかを正確に把握し、スケジュールはきっちりとたてることで心の安心につながりますよ。
もしもそれで解決しない場合、転職という手段もあります。
ナースネクストやMCナースネットなど、看護師に特化した転職サイトや、バイトルPROなどの高度なスキルをもった専門職向けの転職サイトもあるので確認してみるといいかもしれません。
看護師の年収
夜勤手当とボーナスが加算されるため年収は高いです。
さらに、資格手当というものもあります。
看護資格を持っているだけで1万円ほど毎月もらえるんです。
お金だけ見ると高いと思いますが、割りに合っているかは賛否両論です。
看護師になる方法
看護師になるには高校卒業後、看護大学(4年)や看護短期大学(3年)、看護師養成所(看護学校/3年)を卒業し、国家資格に合格することが必要です。
また中学校卒業後であれば、看護師養成課程(5年一貫過程)を卒業し国家資格に合格する流れです。
看護大学や学校に行っている間に実習が行われるので、実務経験の条件はそこで満たされます。
そのためまずは受験して学校に入学することが一番大切です。
まとめ
結果を常に出さないといけない環境は大変な反面やりがいもあります。
自分が落ち着ける環境を作ればHSP気質を持っていても、十分継続できる職業です。
誰でもなれる仕事ではないからこそ、看護師になったあとどのように働きたいか考えてチャレンジしてみてください。
結論
- 何も対策しなければ、看護師はHSPには向かない
- ただし、HSPの本質的なところは看護師には向いている
HSPに看護師が向いている点
- 共感能力が高い点
- 1つずつ行えばミスが少ない点
- 業務改善が得意な点
HSPに看護師が向いていない点
- 人間関係が難しい点
- 大量の仕事を素早く行うことを求められる点
- ゆっくり休むことが難しい点
今回のお仕事経験 提供者
JUN さん
- HSP気質をもつ35歳の女性
- 看護師として3年間従事
- 看護師以外にも飲食店、データ入力、百貨店での販売員、倉庫の仕事などの仕事を経験
- 趣味はウォーキングとアロマストーン作り